異世界漫画や小説、アニメがブームになってきたのが2010年代からで、2020年代になると一大ブームとなり、漫画・コミックを発行している出版社からはどこからも異世界の漫画を出すようになりました。
その上で、異世界の定義が人によって、出版社によって異なっていたりします。
異世界とは、どういう定義なのか説明します。
異世界とは
異世界とは、地球が存在する世界とは別の世界です。また神話・宗教上で登場する世界(天国や地獄)も異世界です。
また漫画・小説・アニメ・ゲーム・映画のジャンルとして使われることが多い舞台設定です。1865年に出版された「不思議の国のアリス」が異世界の物語の元祖と言われることもあります。
ただ地球が存在する世界とは別の世界と言ってもいろいろな考え方がります。
空間として全く別の世界
異世界ジャンルの多くは地球とは全く異なる空間としての世界を異世界としていることが多いです。
例えば地球が存在する世界でも何億光年離れた別の惑星の話であれば、それは異世界ではないという考え方にもなります。
地球と繋がりがある世界
人が住む地球ではなく、人が主体ではないけど人と繋がりのある別の世界のことを異世界ということもあります。
具体的には、人が死ねば天国か地獄に行くという考えは東洋・西洋問わず存在する考え方で、人の世界ではないけど人と繋がりのある世界としての異世界と言えます。
または地球と同じ世界だけど、生身の人間では訪れることが出来ない世界と考える場合もあります。
例えば地球が舞台だけど、地獄や天界(天国)から鬼や悪魔、天使や神が地上に降臨した場合、異世界が舞台ではないけど異世界を扱った作品と言えます。
地獄が舞台・天国が舞台の漫画もありますが、これらも異世界漫画と言って問題ないでしょう。
異次元・高次元の世界
異世界という言葉が漫画でよく使われるようになったのは、記憶の限り2010年以降、それ以前から異世界という言葉はありましたが、異世界よりも異次元という言葉が使われていたと思います。
点が1次元・平面が2次元・立体およびこの世界が3次元とよく称されますが、立体に時間軸を加えた4次元がこの世界という説もあります。
「立体+時間+何か」を持って異次元と考えることも出来ます。
例えば「立体+時間+魔法(魔力)」とすることで異次元が異世界のように見えてきますよね。
「地球と繋がりがある世界」は人間の住む世界よりも高次元の世界という考え方がされる場合もあります。
パラレルワールド
パラレルワールドは並行世界とも言われるものです。
空間が異なる異世界とは異なり、同一の次元でありいつでも派生することがあると考えられています。
例えば道が右と左に分かれていた場合、右に進んだ世界線と左に進んだ世界線が発生するという考え方です。
漫画で言えば「ドラゴンボール」のセル編がまさにそうで、孫悟空は死んだ世界線と孫悟空が死なずに住んだ世界線で語られています。
ただ一般的に異世界漫画でパラレルワールドとして舞台設定されているものは非常に稀です。
ゲームの世界
ゲームの世界に転生・召喚されるという設定は異世界漫画・小説の定番です。
ただこのゲームの世界というのが、全く別の空間のことなのか、人間の住む世界の下位的階層の世界なのか、という見方でイメージが異なってきます。
一般的に異世界漫画としては考えられていない「代紋TAKE2」という漫画があります。最初読み始めるとタイムスリップもので人生をやり直すという設定だと思いますが、最終回で、ゲームの世界だったことが明かされて、逆にファンにブーイングを受けた作品です。
ゲーム世界だと上位世界である人間の世界に逆らえない・強制力が働くという設定にしている異世界漫画も多く存在します。
そういう意味ではゲームの世界は地球よりも低次元の世界と言えるかもしれません。
剣と魔法の世界
異世界という説明はないものの、剣と魔法の世界であることから異世界というように伝える漫画は数多くあります。
作品中では異世界ということに全く触れてないので、異世界とは言えないのでは…と思うこともありますが、明らかに地球とは別の世界であることから異世界を題材とした作品として認識されている作品は多く存在します。
特定の人による想像の創造の世界
異世界と言えば異世界だけど、その世界が特定の人の想像によって創造された世界と絡み合う作品もあります。
永井豪先生の作品で「手天童子」という漫画があります。
鬼獄界という異空間から鬼が出てくるという設定なのですが(厳密には少し違いますが)、この鬼獄界は主人公の義母の想像の世界だったという設定になっていました。
異界は異世界漫画の舞台ではない
異界という言葉があります。意味は異世界とほぼ同じ場合もありますが、自分たちが属する世界・社会とは異なる世界・社会のことを意味することもあります。
例えば江戸時代中期までは外国人(白人・黒人)を見たことがない日本人はほとんどで、異界の人・異界の住人=異人として見なしていました。
昔の日本において神聖な場所・禁忌な場所を異界としており、そういう場所に住む人に対して異界の住人として扱っていた歴史があります。
また異界は境界とも関係しており、山や川(橋)・峠・辻(交差点)は境界であり異界と交わるところという概念が日本にはありました。
そのため、異界=異世界とは同じ意味合いにならない場合もあります。
漫画「八雲立つ」では辻(交差点)や峠道では、霊界と交差しているので霊が出やすいと説明されています。
「鬼滅の刃」「ジョジョの奇妙な冒険」は鬼や吸血鬼が出てきますが、いわゆる鬼や吸血鬼は異界の住人という考え方がされています。
しかし舞台は地球であり、異世界漫画のジャンルには入らないのが一般的です。
異世界のように見られるけど異世界ではない設定
異世界のように見られるけど異世界とは思われていない、異世界ではないと設定されている漫画も数多くあります。
地球だけど知っている地球ではない世界
舞台は地球だけど我々が知っている地球ではない世界という設定と考えられる作品が割とあります。
または地球かもしれないけど異世界かもしれないという作品も多くあります。
つまり異世界か地球かはっきりしない設定での漫画があります。
特に週刊少年ジャンプだとそういう世界観の漫画がヒットする傾向にあります
代表的な作品としては、
- Dr.スランプ:地球が舞台とされている
- ドラゴンボール:地球が舞台とされている
- ONE PIECE:地球が舞台とも異世界が舞台とも定義されていない
- NARUTO -ナルト-:地球が舞台とも異世界が舞台とも定義されていない
- BLACK CAT:地球が舞台とも異世界が舞台とも定義されていない
ただ地球とは明らかに違う世界で、魔法もしくは魔法のようなもの、明らかに地球とは異なる生態系があり、異世界のように感じられます。
地球だけど異世界のように感じる作品
舞台は明らかに特定の地球、特に日本の特定地域だけど異世界のように感じる作品もあります。
- 鎌倉ものがたり:鎌倉が舞台だけど明らかに魔物や妖怪と共存している
- 僕の地球を守って:東京が舞台だけど宇宙人があり転生がテーマにあるため異世界を感じられる。ただし続編では、そこは異世界でしょ!と言える世界も登場する
異世界に関するリンク
漫画の世界は自由
漫画に限りませんが、小説でもアニメでも物語の世界は自由であり、規制されるべきものではないと考えます。
その中で異世界とはこういうもの!と決めることは危険な考え方であり、すべきではないと考えます。
だから異世界漫画と言ってもいろいろな舞台設定があった方が面白いと思いませんか?
剣と魔法の世界、魔物が存在する世界だけでなく、いろいろな設定の異世界漫画が読みたいと思う今日このごろです。
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