北のウォール街とは明治から昭和初期にかけて小樽に銀行が数多くあったことからつけられた名称です。
最盛期には25もの銀行等の金融機関があったそうです。これらの金融機関が特に多かった通りには「日本銀行旧小樽支店」があったことから日銀通りと名付けられています。
この明治から昭和初期にかけて作られた銀行は北の台地でもびくともしない石造建築物が中心でした。そういった建物がまるで近世ヨーロッパを舞台にした異世界漫画に登場してくる冒険者ギルドのように見えます。
特に「日本銀行旧小樽支店」「旧三井銀行小樽支店」はまさに冒険者ギルド!と思える外観をしています。もしくは領主邸と感じるかもしれません。
・石造の建築物が好きな人
・非日常的な世界を味わいたい人
・小樽らしい街並みを見たい人
日本銀行旧小樽支店の詳細とアクセス方法
現在の正確な名称は「日本銀行旧小樽支店金融資料館」となっています。
- 住所:〒047-0031 北海道小樽市色内1-11-16
- 電話番号:0134-21-1111(日本銀行旧小樽支店金融資料館)
- 見学可能時間1:4月~11月 9:00~17:00(最終入館16:30)
- 見学可能時間2:12月~翌3月 10:00~17:00(最終入館16:30)
- 休日:水曜日(祝日の場合は開館)
- 見学料:無料
- 駐車場:なし(近隣の有料駐車場を利用)
- 公式サイト:日本銀行旧小樽支店金融資料館
アクセス方法・行き方
- JR小樽駅から徒歩約10分(約750メートル)
- JR小樽駅から「おたる散策バス」に乗車して「日銀金融資料館前(小樽バイン前)」で下車・徒歩1分
小樽駅前からバスで向かうよりも徒歩で向かった方が早く到着します。バスだと概ね30分、徒歩だと概ね10分です。
徒歩の場合、小樽駅から雨や雪でも濡れないアーケード街である小樽都通り商店街を経由して小樽都通り商店街が終わったところで左折していくのがおすすめです。
日本銀行旧小樽支店金融資料館の様子
日本銀行旧小樽支店金融資料館は、小樽市指定の有形文化財にもなっている1912年(明治45年)完成の歴史的な建造物です。
上記の写真の通り、非常に重厚な建物です。日本全国に「洋館」と呼ばれる建物は数多くありますが、基本的に木造建築であり石造りでは無いので重厚感はあまり感じないと思います。
しかし北のウォール街で建てられた建物はヨーロッパのように石造建築が基本なので、中世~近世ヨーロッパを舞台とした異世界漫画に出てくるような建物に見えます。
もしくは領主邸かな。
ここだけを切り取ると日本では無いような感じがしませんか?
冒険者ギルドと言えば、冒険者の銀行も兼ねているという設定も多いので銀行建築物がそう見えるのは当然かもしれません。
夜は軽くライトアップされてまた雰囲気が異なります。
それでは中へ
なお扉には上記の紋章が描かれていますが、見たことありますか?紙幣を取り出して見てもらうとわかります。
これはどの日本の紙幣にも印刷されている「日本銀行総裁之章」で日銀総裁の印章です。フリーメーソンの「万物を見つめる目」ではありませんから(笑)
中へ入ると重厚なカウンターが並び、吹き抜けで2階は1階を見回れるようになっています。ここで綺麗なギルドの受付嬢が待って…いてはくれません。
カウンター内にも入れるようになっています。
残念ながら2階には上がれませんが、階段も重厚な感じがします。
他にも日本銀行旧小樽支店金融資料館なのでお金・紙幣に関することの展示物があり楽しめます。
旧三井銀行小樽支店
現在は「小樽芸術村」の中の1つの施設となっています。
- 住所:〒047-0031 北海道小樽市色内1-3-10
- 電話番号:0134-31-1033(小樽芸術村)
- 見学可能時間1:5月~10月 9:30~17:00
- 見学可能時間2:12月~翌3月 10:00~16:00
- 休日:夏季は毎月第4水曜日・冬季は毎週水曜日(祝日は翌日)・年末年始
- 見学料:大人500円 / 大学生400円 / 高校生300円 / 小中学生200円
- 駐車場:提携駐車場あり(芸術村共通券で2時間無料)
- 公式サイト:旧三井銀行小樽支店 小樽芸術村
小樽芸術村には、旧三井銀行小樽支店以外にも「ステンドグラス美術館」「似鳥美術館」「西洋美術館」があり4館共通券があります。詳しくは公式サイトで確認して下さい。
参考:小樽芸術村 公式サイト
なお小樽芸術村は「お、ねだん以上」のニトリグループの「公益財団法人 似鳥文化財団」が運営しています。
アクセス方法・行き方
- JR小樽駅から徒歩約11分(約800メートル)
- JR小樽駅から「おたる散策バス」等に乗車して「小樽運河ターミナル」で下車・徒歩2分
小樽駅前からバスで向かうよりも徒歩で向かった方が早く到着します。バスだと概ね30分、徒歩だと概ね10分です。
小樽駅から小樽運河まで出て、小樽運河を眺めながら訪れるのがおすすめです。
旧三井銀行小樽支店の様子
旧三井銀行小樽支店は、国の重要文化財にもなっている1927年(昭和2年)に建てられた歴史的な建造物です。
アーチ状の石組みがとても美しく、それでいて重厚な感じがします。
夜は軽くライトアップされています。
よくいろいろな企画展もしています。
中へ入ると吹き抜けで広々と感じます。
広いホール上になっているはまさに冒険者ギルド!
大理石のカウンターは非常に豪華に見えます。
ここは2階にも上がれるようになっています。
1階でダンスパーティーが行われている領主邸のような感じもします。
大きなステンドグラスがあり、中世ヨーロッパのような雰囲気が醸し出されています。
2階の部屋も見学出来るようになっていて、ここでギルド幹部が会議をしていそうな…
こういうところで昼食会とかしてみたい人生だった…
接待室もあります。
1階の金庫室にある檻は犯罪者を一次的に入れておく部屋にも見えます。
地下にも行けるようになっていて、全部で3フロアを見学出来ます。
地下に貸金庫があるのですが、その雰囲気が非常に異質です。
結露対策として貸金庫室の周りに通路が出来ているのですが、白いタイルが貼られていて、通路幅も狭くて、訳のわからないところに突然閉じ込められてしまう映画のワンシーンのような、そんな場所です。
異世界というよりは異質な場所です。ここに数時間いたら気がおかしくなりそう…
北のウォール街を代表する他の建物
他にも小樽には北のウォール街を代表する歴史的な建造物があります。
旧三菱銀行小樽支店
旧三菱銀行小樽支店は1922年(大正11年)に建てられた歴史的建造物です。現在は「小樽運河ターミナル(バスターミナル)」として使われています。
小樽の人気の観光地である「小樽堺町通り」の入口にあたる交差点にあります。
旧北海道拓殖銀行小樽支店
旧北海道拓殖銀行小樽支店は1923年(大正12年)に建てられた歴史的建造物です。現在は「似鳥美術館」として使われています。
旧三菱銀行小樽支店の道を挟んで反対側にあります。
旧第一銀行小樽支店
旧第一銀行小樽支店は1924年(大正13年)に建てられた歴史的建造物です。現在は縫製加工会社として使われており、一般見学は出来ません。
旧三菱銀行小樽支店の前にあり、この2つのビルの間が小樽堺町通りの入口と言えます。
旧百十三銀行小樽支店
旧百十三銀行小樽支店は1908年(明治41年)に建てられた歴史的建造物です。現在は「小樽浪漫館」としてガラス雑貨などを販売するお店になっています。
堺町通りにあり多くの観光客が訪れる場所です。
旧第百十三国立銀行小樽支店
旧第百十三国立銀行小樽支店は、1895年(明治28年)に建てられた歴史的建造物です。現在は「オルゴール堂Ⓡ海鳴楼」としてオルゴール等を販売するお店になっています。
旧安田銀行 小樽支店
旧安田銀行 小樽支店は1930年(昭和5年)に建てられた歴史的建造物です。現在は「オルゴール堂Ⓡ海鳴楼」としてオルゴール等を販売するお店になっています。
ここはよくお店が変わるので現在は何をしているか不明です。
JR小樽駅の前から続く中央通りの運河川近くにあります。
旧中越銀行小樽支店
旧中越銀行小樽支店は1924年(大正13年)建てられた歴史的建造物です。現在は「銀の匙1号館」としてお土産屋さんと飲食店になっています。
小樽堺町通りの南側の入口にあります。
旧第四十七銀行小樽支店
旧第四十七銀行小樽支店は1936年(昭和11年)に建てられた歴史的建造物です。現在は建設会社の寺務所としてと使われています。
旧安田銀行 小樽支店から徒歩2~3分の色内大通りにあります。
旧北海道銀行本店
旧北海道銀行本店は1912年(明治45年)に建てられた歴史的建造物です。現在「小樽パイン」というイタリアン料理のお店としてと使われています。
日本銀行旧小樽支店から徒歩1分ほどの距離です。
旧小樽無尽株式会社 本店
旧小樽無尽株式会社 本店は1935年(昭和10年)に建てられた歴史的建造物です。現在は「花園 遊人庵」という和食メインのお店としてと使われています。
無尽とは金融の1つの業態ですが、今ではほとんど見られません。
ただし小樽無尽株式会社は、後の北洋銀行の本店(のちに支店)になりました。
小樽堺町通り周辺の歴史的建造物
北のウォール街・銀行系の歴史的建造物以外にも小樽には歴史歴建造物が数多くあります。
その中でも歴史的建造物が多い小樽堺町通り周辺で是非みて欲しい異世界感のある歴史的建造物を紹介します。
旧共成式会社
旧共成(株)は、1915年(大正4年)に建てられた木骨煉瓦造2階建ての建物です。小樽市指定歴史的建造物になっており、重厚な煉瓦の建物で目を惹く建物となっています。
堺町通りの南端にあり、現在は「小樽オルゴール堂 本館」として営業しています。
小樽の堺町通り周辺の中でも外部・内部ともに非常に目を惹く建物です。
旧木村倉庫
旧木村倉庫1891年(明治24年)に建てられた木骨石造2階建ての建物です。小樽市指定歴史的建造になっています。
現在は北一硝子三号館としてガラス器の販売店及び喫茶店として使用されており中を見ることも出来るようになっています。
倉庫が2つくっついているような構造でその間には荷物を早く運ぶための線路があります。また飲食店の中は灯油ランプで照らされ非常に神秘的な雰囲気です。
旧岩永時計店
旧岩永時計店は、1897年(明治30年)に建てられた木骨石造2階建ての建物です。小樽市指定歴史的建造物になっており、屋根のシャチホコや2階バルコニーのアーチ型の扉が印象的な歴史的建物です。
現在は「小樽オルゴール堂堺町店」というオルゴール専門店として営業しており中を見ることも出来ます。
カトリック富岡教会
カトリック富岡教会は小樽の中心部からは離れますが是非見てほしい建物です。1929年(昭和4年)に建てられた木造一部鉄筋コンクリート造3階建ての建物です。
小樽市指定歴史的建造物になっており、重厚且つ荘厳な美しい教会建築物です。
中世~近世ヨーロッパの教会って、こういう雰囲気だったのかな?と思わせてくれます。
教会の中は、ミサ等の儀式がない時なら誰でも見学出来るようになっています。
小樽の北のウォール街にいって歴史的建造物をみよう
今回紹介した建物以外でも非常に歴史的・異世界的な雰囲気のある建物が小樽には豊富にあります。
小樽運河沿いを歩いていればきっといくつか見つかります。
また海鮮などのグルメも非常に美味しいのが小樽の特徴です。
新千歳空港から電車1本で来られるアクセスの良さも小樽の良さです。
是非、小樽に異世界を感じる建物を見に訪れてくださいね。
小樽なら青い洞窟もおすすめです。
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