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ナーロッパ

異世界漫画用語辞典 異世界漫画用語辞典

ナーロッパとは、「小説家にろう」に登場する異世界が中世ヨーロッパ風に描かれている架空の世界であることが多いことから名付けられた小説・漫画・ゲーム等の舞台となる世界を表した言葉です。

中世ヨーロッパではなくむしろ近世~近代ヨーロッパと混ざり合っていることも多くなっています。

異世界漫画におけるナーロッパ

小説投稿サイト「小説家になろう」は「なろう系」と呼ばれることが多く、そこから「な」を取り、ヨーロッパと混ぜた造語として「ナーロッパ」になりました。

主に中世ヨーロッパと思っている世界観の異世界漫画でも実際には「近世~近代ヨーロッパ」であることがほとんどであり、純粋に「中世ヨーロッパ」として描かれている異世界漫画はほとんどありません。

一番近いものとして「本好きの下剋上」が、中世ヨーロッパから近世ヨーロッパへの転換期として描かれていると思われます。

何気なく読んでいる異世界漫画ですが、街の風景で普通の家にも「窓ガラス」がある時点で中世ヨーロッパではありません。一般の住宅に窓ガラスが普及し始めたのは近世ヨーロッパになってからとされています。

そのため窓ガラスが普通の街並みに描かれている時点で中世ヨーロッパではありませんが、割と「中世ヨーロッパくらいの文明」と説明している異世界漫画でも窓ガラスが描かれています。

本好きの下剋上をよく見てもらうとわかりますが、一般住宅には窓ガラスではなく板戸しかありません。

また冒険者ギルドの掲示板では魔物討伐等のクエストが紙で張り出されていますが、中世であれば紙はまだ羊皮紙がメインであり植物紙はほとんどなく、羊皮紙は非常に高価でクエストを書いて張り出すなんてことはありえません。

少ないながらも紙(羊皮紙含む)ではなく、木札で張り出されている異世界漫画もありますが、非常に少ないです。

何より1400年代のヨーロッパにおいて、文字が読める人(識字率)なんて5%未満だったと言われているので20人に1人文字が読める人がいるかどうかの世界です。

貴族を除く一般市民だと1~2%の世界なので50人に1人文字が読める人がいるかどうか?ということになるので、そもそも一般市民である冒険者に文字で伝えることが出来ません。

それでもある程度文字が読める人がいるナーロッパは文化レベルで言えば完全に近代以降(1800年以降)と言えます。

ヴェルサイユ宮殿は近世ヨーロッパ

異世界漫画を読んでいると貴族の家などは、ヴェルサイユ宮殿のような建物が描かれていることが多いですが、ヴェルサイユ宮殿自体が、近世ヨーロッパである17世紀後半(1682年)に建てられたものです。

ヴェルサイユ宮殿をモチーフにしている段階で、中世ヨーロッパではなく近世ヨーロッパと言えます。

中世ヨーロッパは約1000年

中世ヨーロッパは概ね西暦500年から西暦1500年くらいのことで、約1000年もの時代のことを指すのが一般的です。

ただ西暦500年と西暦1500年ではかなり変化しています。

またこの中世ヨーロッパの時代であれば文化的にはイスラムや中国の方が進んでいたとされています。

13世紀頃からのヨーロッパの教会建築、例えばノートルダム大聖堂などは目を見張るものがありますが、戦争がなくても完成までには100年近くかかる状態でした。

つまり巨大な石造建築物をポンポンと建てられるような時代ではありません。

忠実に描くとファンタジー要素よりも汚物感が増えてしまう問題

ただナーロッパとして描くことが悪いということではありません。忠実に中世ヨーロッパを描いた場合、あまりにも汚物感が強くなりすぎたり、夜を描くことが難しくなってしまうため、やむを得ずナーロッパという中世ヨーロッパ風に描いているとも考えられます。

例えば中世ヨーロッパであれば一般市民の家にはトイレらしいトイレがありません。

本好きの下剋上では一般市民の家にはトイレがなく窓から捨てているシーンが描かれていますが、これを忠実に街の風景として描いていたらどうか?と想像してください。

ろうそく自体もまだ高価な時代なのが中世なので、暗すぎる街を描くことなり漫画として成り立ちにくくなります。

漫画としてそれなりに綺麗に成立させるためにも、ナーロッパは必要だったのかもしれません。

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