エリクサーは、ファンタジーの世界に登場する伝説的な霊薬・万能薬のことです。
元々は錬金術の中で生まれた言葉・物質だったとされていますが、明確な出典はありません。
エリクサーの起源
エリクサー(elixir)の起源はイスラム圏の学者であった「ジャービル・イブン・ハイヤーン」とされていることが多いです。721年から815年に存在していたとされています。
のちに「ジャービル・イブン・ハイヤーン」が書いたものを翻訳した際にエリクサーという名称が出たとされています。
H・J・シュテーリヒの『西洋科学史』によれば、イスラム錬金術の祖ジャービル・イブン・ハイヤーン、ラテン名ジーベル(他にゲベル、ジャビル)が金属の四元素四性質(温・乾・湿・冷)を変性し、作り出した1性質のみの元素を al iksir とした。この al iksir を13世紀に翻訳した名が elixir であるとする
下記のことの方が一般的に出回っている情報のようです。
アイザック・アシモフの『化学の歴史』(1967年、河出書房、A Short History of Chemistry, 1965年)「第二章錬金術 アラビア人達」によれば、語源は、乾いた粉と考えられていたことからギリシア語の “xerion”(乾いたの意)がアラビア語に翻訳されて اَلْإِكْسِيرُ(al-iksīr, アル=イクスィール)となった。
なお日本においてエリクサーと似た名前である「エリキシル剤」というものの定義が日本薬局方の製剤総則には掲載されています。
異世界漫画・小説におけるエリクサーとは
異世界漫画・小説におけるエリクサーとは、どんな病気も完治させる万能薬として描かれていることが多くなっています。
ただしエリクサーがどのようにして手に入るかは作品によって異なります。概ね幻に近いとされる植物やドラゴンの体の一部から生成して作るか、ダンジョンで得られるという設定が多くなっています。
- 幻に近い存在の植物を生成して作る
- ドラゴンの肝や目、涙などといくつかの物質から生成して作る
- ダンジョンの宝として得られる(ダンジョン主の討伐を含む)
- ダンジョンのような古代遺跡の中に湧いている
また生成して作る場合は、下記の設定があることもあります。
- 製法を知っていれば作れる設定
- 錬金術師もしくは上位の錬金術師でなければ作れない設定
- 賢者と呼ばれる存在でなければ作れない設定
エリクサーの効能・効果も作品によって異なります。
- 四肢の再生まで可能な万能薬
- 病気は完治させられるが四肢の再生までは無理な病気に対しての万能薬
- 先天性の病気や病弱も治せる万能薬
エリクサーが出てくる異世界漫画
エリクサーが出てくる代表的な異世界漫画を紹介します。
超難関ダンジョンで10万年修行した結果、世界最強に ~最弱無能の下剋上~
迷い込んだ不思議な空間にあったダンジョン内に「エリクサーの泉」と呼ばれるエリクサーが湧き出る泉があり、身体の欠損までも完全に回復させる万能薬として描かれています。
ただしアイテムボックスに収納出来る量に制限があるという設定です。
冒険者をクビになったので、錬金術師として出直します! ~辺境開拓? よし、俺に任せとけ!
伝説の花と言われる「アンブロシアの花」を伝説級の錬金術師が生成して作った設定となっています。
アンブロシア(アムブロシアーとも)はギリシア神話に登場する神々の食べ物であり、古代ギリシア語で「不死」を意味しています。
錬金術師です。自重はゴミ箱に捨ててきました。
エリクサーは一部の限られた錬金術師が数年に1本作れるかどうかという代物であり、非常に高額なものと設定されています。
しかし主人公の規格外な能力を持つ主人公が簡単に作り出せるものとしています。
コメント