ホーンラビット(角うさぎ・角兎)は、異世界ファンタジーの小説・漫画等でよく登場する魔物・魔獣・モンスターです。
アルミラージと呼ばれる角の生えた兎に似た伝説上の動物をモチーフにしたと考えられています。
ホーンラビットの原典・アルミラージについて
アルミラージはインド洋に浮かぶとされる「竜の島」に棲息するとされています。
13世紀のアラブ、ペルシア世界の学者、ザカリーヤー・イブン・ムハンマド・アル=カズヴィーニー(1203–1283)の記した宇宙誌『被造物の驚異』にて、イスカンダル(アレクサンドロス大王)が、インド洋上の「竜の島」(جزيرة التنين, Jazīrat al-Tinnīn, ジャズィーラト・アッ=ティンニーン)に来訪したくだりで、角兎のことが(写本では絵入りで)紹介されている
角兎についてはイドリースィーの地理書『世界横断を望む者の慰みの書』(1154年頃)の稿本に記載されているが、その名称についてはغراج、عراج、فراجなど揺れがあり定かではない。なお竜が住む島は「アル=ムスタシュキーン島」(جزيرة المستشكين, Jazīrat al-Mustashkīn, ジャズィーラト・アル=ムスタシュキーン)といい、西アフリカに在することになっている
上述の通りであれば、角兎・ホーンラビットは12世紀には既に登場していることになり、かなり古くから考えられていた(見られていた?)生物だということがわかります。
異世界ファンタジーがギリシャ神話や北欧神話等をモチーフにしていることが多いため、ホーンラビットもヨーロッパの伝承に由来すると思われ勝ちですが、アラブ圏が出典となっています。
なお異世界ファンタジーによく出てくるものとしては「イフリート」もアラブ圏の伝承です。
異世界漫画におけるホーンラビット
異世界漫画におけるホーンラビットは、比較的弱い魔物・魔獣として描かれていることが多く、新米冒険者が討伐するという設定が多いです。
また一部漫画では可愛く人に懐くこともある魔物・魔獣としています。
またホーンラビットと名称ではなく下記の名称になっていることもあります。
- 角うさぎ(つのうさぎ・角兎)
- 一角うさぎ(いっかくうさぎ・角が1本)
- 二角うさぎ(にかくうさぎ・角が2本)
ホーンラビットが登場する代表的な異世界漫画
ホーンラビット・角うさぎが登場する異世界漫画は下記のものがあります。
よくわからないけれど異世界に転生していたようです
角兎という名称で登場します。
新米冒険者向きだけど、角があるので油断すると危険という設定になっています。また角は槍の先に使って、角兎等の魔獣を倒す道具にすることも描かれています。
転生貴族の異世界冒険録
ホーンラビットの名称で登場します。比較的弱い魔物で新米冒険者向けという設定は他の作品と同じです。
無口な公爵令嬢と冷徹な皇帝
1本角と2本角のホーンラビットが登場しますが、それぞれ「一角うさぎ」「二角うさぎ」という名称になっています。
魔獣として出てきますが、主人公のペット的な存在として登場します。
聖者無双
角兎という名称で登場します。比較的弱い新米冒険者向けの魔物という設定です。
町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい
ホーンラビットという名称の魔物として登場します。知る限りこの作品で出てくるホーンラビット(角兎)が最も弱そうに見えます。よぼよぼのおじいちゃん風のホーンラビットです。
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