異世界(非日常)は割と身近なところにあるものだと知ったのは、心に余裕が出来た時だった。
転勤族だったことから、いろいろなところに住んでいる。8県15市に住んだことがある。
転勤の辞令は内示が10~14日前、辞令が5~7日前というのが僕のいた会社で正直、引っ越しに余裕があったことなんて1度もなかった。
引継ぎ業務も当然あるし、転勤後は引っ越しの片付けと慣れない職場での仕事で最初の1ヶ月間は、ただ慌ただしく日常が進む。
1ヶ月が過ぎた頃から少し余裕が出てくる。その頃になると非日常的な楽しみが待っていた。
駅方向と反対側に行くだけで非日常=異世界気分を楽しめる
最初の1ヶ月くらいは自宅と駅、そして職場だけの往復となる。車通勤や徒歩通勤にしても通る道は基本的に同じだ。
1ヶ月ほど経過して精神的な余裕が出てくると反対方向へ冒険の旅に出る。
ただ駅とは逆の方向に進むだけの冒険の旅だ。
少し歩くと扁額も無い社名もわからない神社があったりすることも多い。
この1ヶ月以上、自宅と駅と職場にしか行ってない状況だと、これだけで異世界感が楽しめてしまう。鳥居の先は結界が張られ異世界となっている…なんて厨二病丸出しの妄想を楽しめるのも非日常的な風景だからだ。
しかしこういう妄想も心に余裕が無いと出来ない。
もう少しで病んでしまいそうなほど忙しい時は自分の日常圏から出ることがそもそもなくなるし、仮に出ても神社が道の脇にあることさえ気がつかない。
今住んでいる家から駅方面とは逆に進んで見たが、洋館が4つも連なって建っているところを見つけた。
まるで異世界に迷い込んだかのような空間で、日常が突然非日常へと変化した。
史跡にもなる洋館は比較的大きく歴史も長いものが多いが、そこまでは大きくはないし、歴史的にそれほど古いものではない。
多くの地域で洋館は見られるが、観光地でもなければ、ひっそりと建っていたり高台に建っていたりして、駅近くには建っていることはない。
だから駅と反対方向に進み、高台があるのなら高台に近づいてみると思わぬ発見があったりする。
駅を通り越すだけで見られる風景
自宅から駅方面とは逆に向かうのではなく、駅を通り越して見ても面白い。
以前千葉県の船橋法典駅が最寄りになるところに住んでいた。駅から東方面に向かうと自宅のアパートがあった。
休みの日に自宅とは逆方向になる駅の西側を歩いてみた。
すると乗馬の練習場があり、見学することが出来た。
首都圏で普段から馬が見られるところは少ないから、馬を見るだけでも非日常的な風景となった。
近くに競馬場はあるものの、競馬場の中に入らないと見られないと思っていた馬が眼の前を走っているのを見ていると、少し興奮しているのが自分でもわかった。
東京丸の内周辺で働いている人も多いだろう。
例えば東京丸の内でも東京駅から南西側に会社がある人が、東京駅から北西側に歩いてみるだけで非日常的な風景を見られるかもしれない。
写真は「東京銀行協会ビルヂング」というビルであるが前面の建物は1916年(大正5年)に建てられたモダンルネサンス様式の建物がベースとなっている。
駅に向かうだけでなく駅と反対側に向かうだけでも非日常的な異世界と感じる場所に出会える。
少しだけ別の方向に歩いて見よう
少しだけでも普段の生活圏からはみ出してみよう!
それだけで非日常的な空間に出会えて異世界トリップを楽しめる。
遠くに赴く旅行も楽しいものだが、住んでいる場所、会社の付近で普段向かわない方向に歩くだけでもきっとかなり楽しめると思う。
何より、知らない景色に出会うだけできっとリフレッシュ出来るであろう。
リフレッシュすることで、新たな気分でいろいろなものに望めるようになり、視野も広くなっていく。
是非、日常の生活圏から少しだけ非生活圏へと脚を向けてほしい。
コメント